営業マンがモチベーションについて悩む理由
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2020/06/26
営業マン向け
世の中たくさんの業種や仕事がありますが、この営業・セールスの世界には本当に頻繁に「モチベーション」という言葉が登場します。他の職種やプロのアスリートの世界などでもこの言葉を聞くことはありますが、こんなに頻繁に繰り出されることはありません。さて、ではなぜこの営業・セールスの世界だけがこの「モチベーション」という言葉を使うようになったのでしょうか?今日はこの辺りを触れてみたいと思います。
~目次~
1:モチベーションとは
2:営業・セールスという仕事とモチベーションの関係
1:モチベーションとは
モチベーションの語源はmotivation(英)。日本語で言えば「やる気」や「動機」といったところです。この言葉は私の記憶では日本では90年代辺りから使われるようになったと思います。もっともそれまでは高度経済成長期の企業戦士世代なので、もっとストレートに「お前らやる気あるのか!」と叱咤していましたね(笑)。
この「モチベーション」という言葉は使い勝手が良かったと見えてビジネス界であっという間に常用化しました。上司に「やる気が出ない」と言ったら「真面目にやれ!」と怒られそうですが「モチベーションが上がらない」と言うと「どうした?何があったんだ?」と共感してくれそうな気がしますものね。まあどっちも同じことを言っているのですけどね(笑)。
2:営業・セールスという仕事とモチベーションの関係
さて、極端な例を挙げますが救急外来のドクターや、乗客の命を預かるパイロットや電車の運転士といったような方々は、自身の仕事のクオリティーにモチベーションを持ち込むことはしません。彼らも人間ですから当然体調やメンタルも日によって差はあります。しかし「モチベーションが上がらないから今日の仕事は失敗するかも?」なんて事は絶対に思いませんし、そもそも絶対に失敗しない事が前提の仕事になりますので「モチベーション」なんていうものに仕事が左右されてはいけないのです。
ところが営業の世界ではこの「モチベーション」という言葉は本当に頻繁に使われます。しかも「モチベーション高く意欲的に取り組めている」といった話題はごく僅かで、ほとんどは「モチベーションが上がらずに、行き詰っている」といったネガティブな話題が大半です。これは何を意味しているのでしょうか?
この現象は営業・セールスという仕事の特殊性が一番の理由になります。特殊性とは何か?主には以下の2点になります。
①:人間対人間のコミュニケーションの成果によって商談の成績が決まる
②:営業(自分)と顧客(相手)は【非同等】の関係である
人間は本能的に「人に愛されたい(嫌われたくない)」という心理が働いています。ところが営業は非同等であり、立場が上の顧客にコミュニケーションを働きかけ販売に繋げる仕事です。顧客は一方的に商談を終了する権利もありますので時には強い言葉やウソの理由を言ってでも商談を思わらせる事すらあります。
「顧客が否定するのはあくまでセールスであってあなたではない」というセールスマニュアルも見ます。確かに事実はそうかもしれませんが、否定された営業マンからしたらその体験は人格否定につながるとても傷を負う事なのです。
以上の背景から多少暴力的にまとめますと「営業という仕事は人間が本能的に最もやりたくないと思う事をあえてすることにより金銭的価値を生み出すものである」ということになります。勿論例外はありますが、悩んでいる大半の営業マンはここが悩みの起点になっている場合が多いです。もっともやりたくない事をやらなければいけないわけですから当然モチベーションは下がります。上がらないのは至極当然なのです。
さて、困りました。脱出する方法はあるのでしょうか? 別の機会で触れますがちゃんと方法はあります。現在クライアントさんの多くはそこから脱し、活き活きと活躍をされています。国内の多くの営業マンの方々も同様にそのスパイラルから抜け出ていけるよう私自身継続的に活動していきます!