アフターコロナの会社組織 ミレニアル世代が企業の主役に
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2020/07/09
経営者向け
多くの企業で円滑な世代交代が大事であると言われています。しかしミレニアル世代と言われる「Y世代」への世代交代は中々苦労しているようです。しかし私個人の意見としては、それはY世代の方々の責任ではなく、むしろ時代の変化を見る事ができないX世代にある様に思います。
しかし今回のコロナ騒動によっていよいよY世代の人間・文化へ世代交代する方向に大きく舵を切る事になります。
~目次~
1:Y(ミレニアル)世代って何?
2:Y世代が主役の組織はどうなっていく?
1:Y世代とは
1980年から90年代半ば生まれの方が対象ですので、現在では25歳~40歳辺りの年齢になります。ちなみにそれよりも上の年齢は「X世代」と呼ばれています。このY世代は特に日本では「ゆとり教育世代」とも時期がほぼ被るため、ともすると昔の「新人類」という言葉と同様「扱いづらい世代」と認識されているように思います。確かにこの世代は合理的で忖度の少ない世代ですので、従来からの教えを踏襲するX世代からすると理解が難しい面があります。
例えば部内で「明日急遽打ち合わせをするから朝1時間早く集合するように」と号令をかけると「なぜ1時間早く集まる必要があるのですか?」とか「チャットワークじゃダメなんですか?」とか言ってくるのはY世代の社員です(笑)。私も含めX世代の人間は「上がそう言っているのだから四の五の言わずに集まる」という考えが浸み込んでいます。ですのでそのような質問があたかも口答えの様に感じ、不快感を感じます。ところが彼らには悪意など全くなくシンプルに「それが如何に必要なのか?合理的なのか?を教えて欲しい」ということなのです。
そして、これはとても大事な事なのですが、この各世代の特徴は日本だけでなく世界的に共通しているという事です。つまり世界的な時代の流れなのです。たまたま日本ではその時期にゆとり教育があった為に、あたかもその教育方針の産物の様に言われていますが、私個人的にはゆとり教育の影響は限定的であると思います。むしろそのような小さなレベルの話しではなく、もっと大きな世界的な世代の流れをまず自覚する事がとても大事です。 なぜか?それは世界的な流れがこのように変化していく以上、企業や組織はその流れにアジャストしないと生き残れなくなるからです。
しかし創業者や役員がY世代である若い企業は別にすると、多くの企業はそこを牛耳っているX世代によって、必死にY世代の意識を自分達の組織にアジャストさせようと試みています。時代の流れによる新しい考え方を年配者が古い価値観に照らし合わせて「善と悪」で裁いているのです。これはとても愚かな行為です。
2:Y世代が主役の組織はどうなっていく?
さて、そんな旧態依然とした企業の体制に鉄槌が下りました。コロナです。前回のブログでも述べましたがもはや「会社に集合するのが仕事」ではなくなりました。そして集まらなくても出来る仕事はたくさんある事にも気が付きました。満員電車に乗り長い時間をかけ通勤し集まるという事が如何に非効率であるかということも体感しました。そうなると「四の五の言わずに集まる」と言っていた我々X世代は単に「思考停止していただけ」であることに気付かされます。
Y世代が創業者の会社や中心メンバーにY世代が多いIT系の企業などは、テレワーク、在宅勤務、リモート会議、オフィスやデスクの廃止などはとっくの昔にスタートしています。X世代が牛耳るその他企業はそもそもスタートから大幅に出遅れている事をまず自覚する必要があります。
Y世代の社員がいよいよ中間管理職になってきます。このY世代の感覚を大事にし彼らが主役で動くことが出来るように変容した企業や組織は、この変化に対応していけると思っています。しかし相変わらず会社の理念や慣習を中間管理職であるY世代に押し付ける企業は、残念ながらこの先は厳しい環境に置かれることになります。
なぜこのように断言できるのか? それは会社にとって一番貴重な年代であるこのY世代の人間が会社を去っていくからです。一番働き盛りでイノベーションをもたらしてくれるはずの世代が、会社の古い価値観に失望し、自分の感覚が生かせる会社に転職する事になってしまうのです。この世代は自分を認めてくれる会社。自分と価値観の波動が合う会社を見つけたらさっと転職していきます。少なくとも今までは鎖で繋ぎ止めていたものが、このコロナによって価値の大変換が起こります。それによってそもそもこの世代の持っていた特性が行動に顕れるという事です。
このコロナによってイノベーションがマストの環境。しかもどのレベルまでのイノベーションが必要になるのかすらもわからない五里霧中の状況。これからはY世代。そしてその先のZ世代の感覚がとても大事になります。まずは一番貴重な財産である若い社員さんに「会社が教えを乞う」スタンスで接してみてはいかがでしょうか?必ずヒントになる発見があるはずです!