営業力向上とコーチングの関係 上司はコーチになれる?③
おはようございます。先週は上司は営業マンのコーチになれるのか?ということについて難しい心理的な障壁についてご説明しました。今日はその障壁についてもう少し詳しく事例をご紹介しますね。一般的に部下は上司にはいい顔をします。少なくともわざわざ怒らせるような事は敢えて言わないでしょう。大人であり社会人ですからある意味当然かもしれません。ところがコーチングでのポイントの「本音を語る」という大事なポイントに関してはクリアできません。実際上司との面談でも最後は「頑張ります」で終わっているケース多くないですか?実はこの「頑張ります」は中々厄介な言葉なのです。何故厄介なのか?少し因数分解して説明しますね。
「頑張ります!」と宣言した瞬間の気持ちはシチュエーションによって様々でしょう。しかし明らかに言わされた感がある場合を除き、概ねニュートラルか前向きな気持ちで発言している事と思います。しかしこういう具合に上司に切り返えされたらどうでしょう?「頑張るかどうかはどうでもいいんだ!この数字ちゃんと達成するんだろうな?」 一瞬「ウッ」と詰まり「大丈夫です!必ず達成します!」と答える方が多いのではないでしょうか(笑)。この時「ウッ」と詰まった瞬間の後「達成する」と言わされた→つまり【ウソをついた】。という風に薄々感じるのではないでしょうか?【ウソをついた】まであきらかな言語化した思いまで到達しなくとも「モヤモヤ」を感じる場合が多いと思います。そのモヤモヤの原因は「思っている事と別の事を言った」という事ではないでしょうか?
「思っている事とは別の事」をもう少し詳しく説明すると次のようになります。
A:思っている事=自分にはこの数字は厳しいな。今調子悪いし自信ないな。 B:別の事=大丈夫です!必ず達成します!
このAとBは明らかに違っているためこの現象に直面した際に「モヤモヤ」を感じるのです。
しかしこの「モヤモヤ」は「頑張ります!」と発言したときには発生しません。何故か?それは「頑張る」という事に関してはコミットしているからです。
面談終了時に上司は営業マンが「頑張ります」と回答したことによって「数字にコミットした」と思いますが、営業マンは「それに向かって頑張る」という事に関してコミットしているのです。コミュニケーションとは難しいものでこの微妙なズレが結局目標未達成ということに繋がっていくのです。
少し長くなりましたが、「頑張ります」はこのように一見両者のズレを軋轢なく中和するような便利な言葉なのです。しかし、申し上げている通りあくまでも表面を取り繕っているだけで本質的なズレは全く解決していません。むしろそのズレが表面化する事無く「数字の未達成」につながっていきます。
ですのでコーチングには上司と部下の関係はとても難しい障壁が存在するのです。厄介なのは営業マン自身がズレに気が付いておらず、無意識に上司に合わせた発言をしてしまう事にあります。こういった現象を自覚させ、又営業マン自身が気が付いていないような本音に気が付かせてあげる事がコーチとしてのとても大事な役割になるのです。
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